○登場人物
主人公:
名前変更可能。15歳。元気な優等生キャラ。
兄の一臣とは7歳差、物心が付く前に父を亡くした母子家庭。
兄に恋愛感情を抱いている。
一臣(かずおみ):
22歳、社会人4年目。出来た兄。
父親との思い出のない弟を哀れに思い、父代わりになろうと奮闘してきた。
弟を甘やかしたい気持ちが兄としてのものでも父としてのものでもないことに気づいているが抑えている。
○プロット
兄×弟のBLで弟視点。
深夜に主人公は眠れず台所に行く。
台所で兄の一臣と遭遇し、雑談しながらラーメンを作る準備をする。
なにげない日常の中で主人公は自覚している兄への恋心で悩む。
見どころ
・兄弟でありがちなほのぼのした日常のシチュエーション
・恋心を持つからこそ何気ない日常に切なさが交じる
・報われない恋と諦めかけてる主人公だが
兄側も思わせぶりで想像の余地を読者に持たせる
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○シナリオ
//主人公の自室(深夜で暗い)//時計の秒針の音
【主人公】「眠れない。」
//お腹が鳴る音//
時計は深夜の三時を示している。
無理やり二度寝をしようと目を閉じるが、空腹の感覚がどんどん強くなり眠れる気がしない。
【主人公】「仕方がない……」
空腹のままでは眠れそうにない。
台所に食パンかなにかあればいいんだが。
//黒一色//廊下を歩く足音//
【?】「あれ、どうかしたのか?」
聞き慣れた声が暗い台所からした。
誰もいないと思っていたから少しだけ、ヒヤッとした。
//台所//笑った一臣の立ち姿//
【主人公】「一臣にいさんこそ、こんな時間にどうしたの?」
【一臣】「少し腹が減ってしまってな」
にっこりと笑い、小声でにいさんは言った。
【一臣】「おまえも腹が減ったか?」
//お腹が鳴る音//
【一臣】「あはは、豪快に腹の虫が鳴いたな」
言葉にする前に、腹の音がわかりやすい返事をする。
恥ずかしい、なんで空気を読まないんだ腹の虫!
【一臣】「パンかなにかあればかじろうかって棚をあさったけどなにもなくてな」
【主人公】「えええ~」
【一臣】「さては、おまえもパンでもあるか探しにきたってところか」
【主人公】「正解。こういうとき、にいさんとと兄弟だなって実感する。思考がまったく同じだよな」
【一臣】「どうせこのまま部屋に戻っても眠れそうにないし、かわいい弟が腹を空かせているのならなにか作るか」
【主人公】(“かわいい弟”か……)
兄弟と実感して、にいさんからは弟として見られていることを告げられて。
胃がキュウって締め付けられる。
空腹からくる収縮じゃなく、切ないような、悲しいような……
そういった気持ちで胸がいっぱいになる。
【主人公】「ありがとう、にいさん! にいさんの手料理が食えるの、家族の特権だよなー!」
それでも明るく振る舞うしか俺にはできない。
その家族の特権も、有効期限はあとどれくらいなんだ。
数年もすれば、にいさんはかわいい嫁さんをもらって新しい家庭を作るんだろうな。
そうなれば、その特権は俺にはなくなる。
【一臣】「いちいちオーバーだな。(主人公)に頼まれたらいつだって作ってやるって」
俺の気持ちを知るはずもないにいさんは、歯を見せて笑った。
こういうところがにいさんが“できる男”なんだって実感する。
弟に優しくて、頼れる自慢のにいさん。
でも兄というだけで恋愛対象には“できない男”だというのがつらい。
//棚が開く音//
【一臣】「塩としょうゆとみそ、どれがいい?」
//袋ラーメンを手に取るカサッとした音//
保存食の棚を開けてにいさんは言う。
その三種の味でラーメンを作ろうとしているのはわかった。
【主人公】「塩がいい。」
あまり考え込みすぎるとにいさんはすぐ気づいて心配する。
気取られないよう、俺もすぐに返事をした。
多分、ちゃんと笑えていたはずだ。
【一臣】「わかった。」
にいさんはやはり笑っている。
よかった、気づかれなかったようだ。
感情がもれないよう気をつけないと。
//棚を閉める音//
【一臣】「たしかほうれん草が冷凍庫に……」
//冷蔵庫を開ける音//中を漁る音//
【主人公】「具なしラーメンでも俺はいいけど」
【一臣】「こういうのはな、面倒くさがらないでちょっとの手間暇が大事なんだ。それだけでずっとおいしくなる。」
【主人公】「にいさんって変なところで凝り性だよな」
【一臣】「……そうでもないぞ。にいちゃんが凝り性なのはおまえに対してだけだ」 ※少し切なげに言う
【主人公】「にいさんの中で俺だけ特別扱いってこと?」
//切なげな表情の一臣の立ち姿//
【一臣】「……ああ。(主人公)は“かわいい弟”だからな」 ※かわいい弟の部分を強調して言う
【主人公】「かわいいって二度も言わなくていいよ。俺、男だし」
【一臣】「にいちゃんからしたらずっとかわいい存在なんだよ。おまえが喜ぶのなら手間をかけるのが苦でもないくらいにな。」
//笑顔の一臣の立ち姿//
弟としての特別なんだと明確に言われても嬉しい。
にいさんの特別には代わりがない。
【主人公】「俺も、にいさんのこと世界一かっこいいと思っているよ」
兄じゃなく、男として。
その言葉はきっと告げられる日は来ない。
弟の顔で俺は笑うしかできないんだ。
〆
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